古民家再生に描いている未来
便利で快適なものを際限なく欲しがり、より便利で快適な状態でなければ我慢ができないというような価値観は、人として大切な何かを失うのではと感じていた。
消費社会を動かす為の意図的な欲の誘導に、ただ、ただ、影響を受け、自制をさせない社会環境があり、自制心を弱めさせられていることを知った。
自制心は人間が集団生活を行う為に本能に対して作り上げた能力であり、自制心が低下してしまうと、人間としての集団生活が円滑にいかないことにつながる。
物欲が強い人間とは、つまり自制心が消費社会の誘導により弱められた影響を受けやすい人であり、人間力が低く集団生活についても円滑に行きにくい。
そう考えると、人間らしく知恵のある生活を送る事ができるとは、自制心が強くなり人間力が高まることにつながり、集団生活が円滑に行くことにつながる。
豊かな人生とは四季を感じたり気候の変動を感じたりして育まれる情緒が、便利で快適をもとめると、過保護なシェルターにより外界と遮断され、そうした情緒が育まれないことが問題なんじゃないかと感じていた。
不便により得られる工夫や創造性、そうした生活力みたいな物が不便により培われるのであれば、機能的な効率を前面にだす現在の建築計画学にも大きな欠陥があるといえる。
家づくりに関わるなかで、数多くのお客様との打合せを繰り返すなかで、そうした傾向がより強く、また、便利や快適を求める人であればあるほど、生活力が低下している人のような気がしていた。
逆に便利や快適を家の機能にそれほど求めない人ほど生活の工夫が出来ていて、引渡し後の家の状態がよく、上手に家をつかっている知的で人間力のある人だったと経験的に感じる。
これからは少ないお金でより満足度を上げる、幸福の質を向上させるような生活スタイルへのシフトが重要だ。
ムヒカ氏のスピーチにあるように人には知恵がある。
自身の時間を大切にして、お金をあまり必要としない。知恵により多くのお金が掛からない生活にして少しの事で大きな満足を感じるという人生を実現する。
そして、自給自足の生活にはそうした未来の可能性があり、そうした幸せを感じる人体質を作る可能性がある。
無駄をやめて価値のある資産を残す行動を起こす為に、青梅市に住まいを移し上記の生き方目指して行動することにした。
建築士という仕事がら、日本独自の建築技術を今に伝える伝統構法の古民家を価値ある資産としてとらえ、未来への残すために購入し住む事にした。
昔の住宅は2世帯で住むことも可能な広さがあり、将来的には民泊もできれば、設計事務所を自宅ですることも考えられる。
古民家に手を入れながら、更に魅力的な建築にする事で、民泊施設としての魅力づくり、もしくは、設計事務所のショウルームとしての役割を担うことが出来るほどにあれば、そこで実現した魅力が次世代に愛される古民家につながり、さらなる未来への資産として残すことを夢描いている。
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